石井紘暗殺事件の再考
劣化ウランと三菱マテリアル、そして、石井紘刺殺事件との関係
官僚の利権構造から、オウム真理教、統一協会、と幅広く日本の闇を国会で追及してきた石井紘基氏を暗殺してまで、守りたい利権というかスクープとは一体なんだったのだろうか。
事件後、石井紘基が握っていた鞄は、指が切断されて持ち出された。中に入っていた国会での質問書の中身はなんだったのだろうか。石井紘基氏は、どんな闇を追いかけていたのだろうか。
10年後の昨年の5月、同僚議員である原口一博は、石井紘基氏は原発利権を追っていたと、ツイッターで発言した。原口一博が、何故、このタイミングで石井紘基氏との会話の内容を公表したのかはわからないが、事件の核心である問題を、芸能界の裏話のように公表するのは非常に不愉快だ。
事件後の情報では、犯人の伊藤白水は替え玉であることは事実で、殺害を実行した刺殺犯とともに、石井紘基氏を殺す自発的な動機はないと思われる。つまり、石井紘基氏が追及していた利権集団によって暗殺されたと考えるべきであり、この殺害は”刺殺”ではなく”暗殺”とするべきである。
彼が埼玉県選出の議員であること、そして暗殺の2年後、民主党の稲見哲男議員の国会への質問主意書を読んでみて、私が追いかける”濃縮ウラン事業”と”劣化ウラン”の問題に結びつくことに気がついた。暗殺というリスクを犯してまでも守りたい利権、それが原発利権ではなかったのかと。
日本に保管されている劣化ウランとみられる放射性廃棄物の約52%は、埼玉県大宮市の三菱マテリアル(株)大宮総合整備センターの地下施設に保管されている。ここは、1959年から実験原子炉が三菱金属による建設計画に反対する市民運動の場であり、2000年に、三菱マテリアル(株)の地下の倉庫に放射性廃棄物を保管する施設をつくるという周辺地域を含む最開発計画により作られた施設だ。
埼玉県選出の石井紘基元衆院議員は、当然、この再開発計画の経緯は十分関心を持っていたであろうし、三菱マテリアル(株)が原発利権に深く関わっている企業であることも承知していただろう。
もし、石井紘基氏が、三菱マテリアル(株)大宮総合整備センターの地下施設に保管される放射性廃棄物が、劣化ウランであることを知ったならば、この入手経路に関心を持つのは当然で、その不自然さに気がついていたはずだ。
この劣化ウランが米国から輸入されたとか、その製造元は確認できないとか、その輸入通関書類がないという事実を把握していたことは、殺害の2年後に、民主党の稲見哲男の提出した国会への質問主意書でわかります(なぜなら、この質問主意書は、故石井紘基氏の資料に基づいて作成されたものだからだ。)
石井紘基氏は、劣化ウランの存在が原発利権に関係していることに気がつき、それが、濃縮ウランの製造に日本の政府と電力会社が深く関与していたことにも気がついていた。そして、それを国会で追求しようとしていた。
日本で濃縮ウランが生産されている。そして、その生産は米国のユーセック社と東京電力とのOEM生産の契約であること。これが証明されれば、日本の非核三原則は根底から崩壊することになる。
原発利権は、世界の軍産複合対に深く関わっていて石井紘基氏は踏み込んではならない闇に足を踏み入れたのでしょう。
石井紘基氏は、国会で追及する前に情報を公開するべきだった。福島便層内変死事件や東電OL殺人事件など、原発利権に関与する人々の不審死の情報も入っていただろう。殺害側がほしかったのは、原発利権に踏み込んだ石井紘基氏の命ではなく、彼が持っていた情報や資料であるからだ。
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