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特開2006-46967の特許技術

ウラン濃縮事業の変遷と特開2006-46967


米国では、1976年のスリーマイル島の事故以降反原発の声が高まり、濃縮ウランの生産ラインを日本に移して、日本でのOEM生産を始めた。日本にウラン濃縮技術を提供するかわりに、濃縮ウランを生産させたのである。日本国内での原子炉の建設ラッシュがはじまった。

米国内では、旧ソ連の高濃縮ウランの解体が終わる1990年代以降は、中性子を吸収した軽水から遠心分離機でプルトニウムを抽出する時代に入るとして、ガス拡散法によるウラン濃縮施設を閉鎖して遠心分離プラントの建設に着手した。

しかし、2006年、日本は、使用済み核燃料に、フッ素またはフッ素化合物を作用させ、ウラン及びプルトニウムの混合六フッ化ガスを生成して、ウランとプルトニウムを抽出するという技術を特許公開した。特開2006-46967である。

これは軽水炉で作られるプルトニウムを軽水炉の原子炉を利用して濃縮できる技術であり、従来のウラン濃縮技術であるガス拡散法を進歩させたものである。

2000年から、日本はこの技術を見越して国内の軽水炉の改造に着手する。拡散筒内の圧力の上げ下げを行う際に、原子炉の温度異常で作動する非常用復水器を取り外したのもこの改造によるものだ。日本の原子炉は、新型のガス拡散法に対応した原子炉に改造された。

特開2006-46967の特許技術は、従来のガス拡散筒を利用してプルトニウムを抽出するという技術であり、使用済み核燃料を加工する手間がかかる遠心分離機よりもシンプルで低コストな技術である。

プルサーマルとは
プルサーマルは、plutonium thermal useの和製英語であり、これを直訳すると熱気泡化したプルトニウムの使用方法を意味するのであり、使用済み核燃料から六フッ化ウランと六フッ化プルトニウムを転換する技術を言う。 従って、プルトニウムを現在使っている普通の原子力発電所で燃やすというMOX燃料による原子力発電を意味しているのではない。

世界各国はプルトニウムを求めていて、日本のその需要に応えるために原発という嘘をついて、原子炉でプルトニウムを生産しようとしている。

日本の原発メーカーが海外に売り込んでいる技術は、2006年2月に公開された「特開2006-46967」という特許で、使用済み核燃料に、フッ素またはフッ素化合物を作用させ、ウラン及びプルトニウムの混合六フッ化ガスを生成して、ウランとプルトニウムを抽出するという技術だ。出願者は核燃料サイクル機構。

これは軽水炉で作られるプルトニウムを軽水炉の原子炉を利用して濃縮できる技術であり、従来のウラン濃縮技術であるガス拡散法を進歩させたものである。

世界各国はプルトニウムを求めていて、特開2006-46967の特許を利用した原子力プラントを欲しがっている。

ただ、間違ってはいけないのが、世界が求めるプルトニウムは核兵器への転用が目的ではないことだ。

来るべき地球の気候変動や環境変化によって、人間の居住環境を地下に求めなくてはいけなくなったときに、生命を維持する根源的なエネルギー、熱エネルギーを安定的に長期的に得るにはプルトニウムが必要と考えているからだ。ただし、それを享受できるのは極少数の選ばれた市民だけである。

世界の指導者たちは、プルトニウムの需要を核兵器に向けさせ、来るべき地球の、そして人類の未来を隠し通すだろう。

原子炉建設が、原子力発電所建設に置き換えられるように・・・

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