貴金属事業とマネーロンダリング
日本の電力会社が、濃縮ウラン事業に参加し米国のユーセック社から、濃縮ウランのOEM生産を請け負っていたとするならば、その決済はどのようにおこなわれていたのだろうか。
OEM生産した濃縮ウランの納品に関しては日本国内で使う分、つまり、米国からの輸入する分の濃縮ウランは現物の移動はない。米国内で使用する濃縮ウランは、フランスのアレバ社に委託している使用済み核燃料の再処理の運搬ルートを利用していると考えられる。このルートはアメリカを経由しているはずだ。
問題は、ユーセック社から日本の各電力会社への支払い方法だ。この契約は秘密契約だから通常の取引はできない。マネーロンダリングが必要となる。
そこで注目するのが、日本国内の劣化ウランの52%を保管する三菱マテリアル(株)の貴金属事業だ。三菱マテリアル(株)は、銅事業部門がメインであるが、銅事業部門で取り扱う銅鉱石には、微量の金、銀、錫、亜鉛などを含んでいて、これらを回収プラントで貴金属が取り出される。
1973年、世界経済は変動為替相場制に移行し、日本でも金の取引の自由化が始まる。同年に、三菱マテリアル(株)の貴金属事業が発足。1989年に「純金積立マイ・ゴールドプラン」の販売を開始する。
1989年といえばバブル経済の絶頂期だ。金(ゴールド)を購入するための「積立」はダミーで、スポット購入という換金制度が主目的だ。通貨供給量はピークの時です。三菱マテリアル(株)が大量の通貨を吸収できる金(ゴールド)を持っていたとしたら、お金(マネー)に変えることができる。
三菱マテリアル(株)の金(ゴールド)の保有量は、銅事業で取り出された金(ゴールド)と一致しなければならない。しかし、濃縮ウランと金の物々交換によるマネーロンダリングの取引では、金の在庫は銅事業で取り出された金(ゴールド)とは一致しない。
濃縮ウランのOEM生産の決済に金を使う場合、銅事業を取り扱う三菱マテリアル(株)を介して、金(ゴールド)を受け入れて、「純金積立マイ・ゴールドプラン」の”スポット購入”を利用してお金(マネー)に換金した。
1 米国のユーセック社からOEM生産された濃縮ウランの決済に”金”を使う。
2 代金として支払われる”金”は、米国から輸入される銅鉱石とともに日本に持ち込まれる。
3 不法に持ち込まれた”金”は、貴金属回収プラントで作られた”金”と一緒に保管される。
4 貴金属事業を通して、金(ゴールド)をお金(マネー)に変える。
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