TPPの目的は統一通貨の導入とデノミ
1 量的緩和策の総括
TPPの目的は統一通貨の導入とデノミ
日銀の黒田東彦は、金融政策として、2010年から始めた「包括緩和策」から01年から5年間行った「量的緩和策」への切り替えを宣言した。
量的緩和策とは、銀行が保有する国債や手形を日銀が買い取り、銀行の現金保有率を高めることで、企業の設備投資などの融資が拡大して経済活動が活発になるとことを目的とした経済政策だ。
これは、物価の下落=デフレと定義する馬鹿経済学者で信仰されていた「貨幣数量説」から生まれた政策であるが、銀行に渡った現金は、日本銀行の当座預金に入り融資に回らなかった。日銀は当座預金の枠を35兆円まで引上げたが、融資先がみつからない銀行はこの資金で国債を購入する。
1989年のベルリンの壁の崩壊以降、社会主義国が資本主義経済に流れ込み、2000年には供給力過多のデフレの状態になっていた。
1990年代のバブル崩壊で通貨収縮が起きて経済活動が停滞していたが、世界では中国を筆頭に供給力が増大して商品の単価が下がっていた。日本の経済評論家らは、この物価の下落とバブル時の不良債権を抱える日本経済の停滞を一食卓にデフレと定義してしまったのである。
デフレとは需給ギャップから生まれる経済活動の縮小のスパイラルをいうのであり、バブル崩壊などによる通貨収縮はデフレを引き起こす要因でしかない。
- 供給力>需要 A 物価の下落→生産調整→雇用の低下→消費の低下→生産調整
- 通貨収縮 B 不良債権の発生→バランスシートの歪み→融資の減少→雇用調整→生産調整→Aへ
要因を取り除いても原因を取り除かねば問題は解決しない。つまり需給のバランスなのである。この意味において、「貨幣数量説」は宗教に過ぎないことがわかるだろう。
小泉政権で竹中平蔵が行った量的金融緩和策は、株価の上昇を狙ったものであり、合併を中心に企業の統廃合を進めるための金融政策であることに気がつくべきである。当時の産業再生法はそれを法的に支援するものであり、企業のトラスト化が主目的である。
(2) CDS債問題と包括緩和策
ヘッジファンド以外に融資先がみつからない銀行は、国債を担保として差し出すことで高額の手数料を手に入れられるCDS債に飛びついた。銀行はCDS債の手数料を求めて、量的緩和策による資金を国債に換えていく。
2005年時点で、銀行が保有する日本国債は、日銀が設定した当座預金の枠の35兆円と並んだ。
2008年にリーマンショックで、サブプライムローンが破綻することで、欧米の銀行の融資の保証をしていたCDS債の契約履行が問題となった。CDS債の担保となっているのは米国債と日本国債が中心で、CDS債の契約履行されれば米国債と日本国債は暴落する。
IMFは、資金をあつめてCDS債の発行元である保険会社に融資をして、銀行に対する代位弁済を現金で行わせた。サブプライムローンの担保で個人住宅の権利書は銀行を経由して保険会社に移管され、融資された資金とともにバランスシートに計上された。
保険会社はサブプライムローンが回収不能と判断すると、CDS契約の履行を行使して担保となっている国債を回収した。
CDS債の担保として日本国債を差し出していたのは、年金を運用する生命保険や銀行、そして投資顧問、また、政府系の年金運用部門や内部留保として運用していた企業などその裾野は広い。
最初にCDS契約の履行が問題になったのがAIJ投資顧問である。
政府と日銀は、CDS債の担保となっている日本国債の回収を始めた。そのシステムが「包括緩和策」である。包括緩和策とは量的緩和策とは異なり、国債の買取先が、銀行ではなく年金の運用先であるということだ。
もちろん目的はCDS債契約履行による日本国債の海外流失を防ぐこと。求償権の行使にあたり、日銀が対象の国債を買い取ることで、現金決済が行われることで日本国債の海外市場への流失を防ぐというものである。
日銀は、量的緩和策で銀行が購入した国債を基金として、年金として運用されている日本国債を買い集めていく。その額は、2010年から3年で、当初の35兆円の枠をはるかに超えて101兆円まで膨れ上がった。
(3) デノミを想定した無制限の金融緩和策
2013年、日銀の白川総裁を更迭した安倍普三が送り込んだ黒田は、CDS債の担保物件となる国債の購入対象先の条件を撤廃した。国債の購入先は、投資信託から銀行、企業先までCDS債の履行の対象となった日本国債の買取を宣言した。
つまり、銀行や一般企業の日本国債の買取は事実上の公的支援となる。安倍政権以降の株価の上昇は、CDS債の担保となっている日本国債の企業のバランスシートの改善を見込んでの買い気配である。
しかし、同時に日本国の財政破綻の懸念も生じてくるのは必定で、ヘッジファンドによる空売りが絡んで、急激な株価の上昇をもたらしている。
企業の国債を日銀が買い取っても設備投資には回らずに、企業の買収や合併の資金となるだろう。産業別のトラスト化が進み、リストラはさらに加速するだろう。
雇用の削減をスムーズに行うために労働法規が緩和され、失業者の増加による社会秩序の崩壊に備えるために警察の武装化がはじまるだろう。
労働者は正社員と準社員、そして非正社員とに階層化され、その下に貧困層が難民が位置づけられる。
米国債と日本国債の暴落寸前で、TPP参加国内で、統一通貨が導入されデノミが行われる。
各国の通貨は、統一通貨と交換され、株式のそれに準じて改定される。しかし、各国の国債は統一通貨とは交換されない。米国と日本の財政問題は解決される。
TPP経済圏による統一通貨の導入によるデノミの前に、駆け込みで国債を振り出しているのが安倍政権だ。政府は国債を振り出し、その国債を銀行が買い、銀行の国債を日本銀行が買う。日銀に国債が集まり日本通貨が溢れ出す。
供給能力を絞っている状況で実態経済における通貨供給量が増大する。ハイパーインフレが起きた段階で、TPP内で統一通貨が登場し、参加国の通貨と統一通貨との交換=デノミが行われる。
デノミを直前にした安倍普産は、髪を振り乱して国債という打ち出の小槌を振る。その姿は、代々、田布施村で受け継がれてきた「招魂の舞」であり、日本人からみればそれはまさにエクソシストだ。
(4) 日中戦争後にTPPを母体とする統一政府ができる
米国債をCDS債の担保として運用していた共産党青年団を中心とする中国の富裕層は、TPP経済圏による統一通貨の導入によるデノミを受け入れることはできない。米国を中心とするTPP参加国と中国は軍事衝突をする。
習近平を中心とする太子党は、統一政府の椅子を約束されていて、共産党青年団の壊滅は了承済みであろう。日中は尖閣諸島で軍事衝突するが、戦火は、尖閣周辺から広がらない。
軍事攻撃のターゲットは、共産党青年団の組織が強い内陸部であり、インド軍が、チベットを開放しながら内陸に侵攻し、共産党青年団が主力の中国正規軍を壊滅する。
共産党青年団の壊滅を待って太子党が中心となる新中国政府は、TPPに参加することを宣言するだろう。