東日本の大震災の後、エネルギー政策が変わると思い太陽光発電の講習を受けてました。 この中で、安全対策にたいして、基本的に足場を組むように指導していました。 しかし、現場では、足場代を見積もりに乗せては価格競争に負けてしまうので、実際には、なんの安全策も取らないまま屋根上に上がっている実情を知りました。
太陽光発電の設置作業は屋根上での作業がメインであり、これは傾斜面での作業でいわゆる法面での作業だと思います。足場を組んだにしろ、足場での安全システムは墜落を想定したものであり、胴ベルト型安全帯では墜落には対応できないと思いました。そこで、足場のない現場で高所作業である「ビルの窓ふき」などで見られるロープワーク技術を利用した安全システムを、傾斜面でも利用すればいいのではないかと思いました。
問題は、垂直でのロープワーク作業の場合、シットハーネス型の安全帯となり、傾斜面では少々動きづらいということと、ロープの連結部分が中央にあるので、傾斜面での作業に支障がでるのではないかということでした。そこで、胴ベルト型安全帯を利用し、なおかつ、ロープとの連結部分が可動するものがあればいいと考えました。
今回ご提案させていただくのは、傾斜面でのロープワーク技術を利用した安全システムと、ロープとの連結部分が可動することで作業者の前面を開放し作業性を確保した「ビレイループ式胴ベルト型安全帯」です。
7月には出願手続きを済ませ、太陽光発電の各協会や、施工会社、安全帯の製造メーカーなどに書面でご提案いたしましたが、まったくといっていいほど相手にされませんでした。(「墜落」と「滑落」は同義語?)。唯一、このシステムを理解していただけたのが(株)モンベルさんでしたが「登山用のハーネスは扱っているが工事用の保安用品は扱わない」とのことでした。
冬を向かえ、雪下ろし作業にも有効だと思うのですが、日本安全帯研究さんが推薦するミドリ安全(株)さんの「ラクボシステム」では、フルハーネスやリトラクター式昇降器などを組み合わせて1人分で十数万円の価格を見て、これでは普及しないのではないだろうかと思いました。
私の提案するシステムは、シンプルであり廉価です。プルージックを専門的すぎるという声もありますが、把持具はHPでも紹介している機械式昇降器を使っても構わないのです。要は、「墜落ではなく滑落に対処するべき」であり、「ビレイループ式胴ベルト型安全帯」はそれに対応できるということです。
「ビレイループ式胴ベルト型安全帯」は商品化されていませんが、「墜落ではなく滑落に対処するべき」との意見を広めたくHPでの公開をするべきではないかと思いました。できうるものであれば、商品化にご協力していただける人がおりましたらお声をかけていただければと思います。