屋根上の作業で命綱を利用する場合に、命綱のアンカーをどこにするかという問題があります。現状では、低層住宅の場合には、家屋の周囲を足場で囲んでいます。
それは、足場自体を固定する壁つなぎの設置がむずかしく、足場の倒壊を防ぐためです。
従って、足場を組むのであれば、あえて命綱は使用しないでしょう。
しかし、家屋の周囲を囲まずに足場材で命綱のアンカーが取れれば、ビレイループ式安全帯を利用したロープワークによる安全確保ができます。
そこで、図3のような「アンカー支柱」を考案しました。
図3のアンカー支柱を単管パイプとクランプで組み上げて、図2のように棟をはさんで両側に取り付けてリードロープで固定し、そのリードロープ上から命綱をとるというものです。
各アンカー支柱の下部は、土台にあと施工アンカーを埋め込み「壁つなぎ等」で固定します。
土台のあと施工アンカーと連結するリードロープは、アンカー支柱に取り付けるリードロープ通し管を通すことでリードロープに張力がかかった場合は、壁ささえが雨樋を保護してくれます。
アンカー支柱は最低4本立てて、軒桁で連結すれば倒れません。
このアンカー支柱を組み合わせたアンカー構造の設置と撤去は簡易であり作業的にも安全に行えます。このアンカーシステムとビレイループ式胴ベルト型安全帯を組み合わせた安全システムをご提案いたします。