「ビレイループ式胴ベルト型安全帯」を使用するときは、安全帯とロープの間は張力をもたせることで、滑落時に墜落距離はありません。しかし、ロープと安全帯を固定してしまうと、上下の移動ができなくなります。そこで解除が適宜できる把持具が必要となります。
リトラクター式昇降器とは、墜落などの衝撃を器械が感知してロックをかけるというものです。上部に固定してある程度の長さまで引き伸ばして使います。
この場合、ある程度の墜落距離を想定しなめければならず、2階以上の家屋での使用が認められています。この器具の場合には、把持できないので把持具とはいえません。
把持したロープ上から移動しないのを把持具といいますが、該当するのは、「機械式昇降器」と「プルージック」とになります。
使い勝手とかコスト等で検討の余地はありますが、100年以上前に考案されたプルージックはそのシンプルな構造は、傾斜面という作業状況から設置面を傷つけないという点からも利点はあると思います。
以上のようなことから、ロープワーク技術であるプルージックを紹介します。
プルージック(prusik)は、オーストラリアの登山家カール・プルージックが考案したと言われている結び方で、ロープを把持することができます。
負荷をかけると締まり、緩めるとスライドさせることが出来、きわめてシンプルで操作性にすぐれ、負荷を掛けた場合の強度にも優れています。
また、細引きといわれるロープを用意するだけでよくきわめて廉価で導入できます。
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