原理資本主義では、利潤を求める経済行動を是としその利益配分のバランスが労使問題としていて、従来の利潤を賃金の搾取とする考えは間違いであるとしています。そして、資本主義で民主主義が成立するには、資本と経営の分離が必要であるとしています。
これらの概念を基本に株式会社というものを考えると、まず、株主の利益を主張する「執行役員」と、経営上の実務・運営権をもつ取締役、そして雇用者の利益を主張する労働組合という三者の合議を経営とするべきと考えます。これは、株主の利益を主張する「執行役員」は、経営上の意思決定において最高の責任をもち、経営上の実務・運営権をもつ「取締役」は、経営上の実務・運営において最高の責任をもつ。そして、「労働組合」は、三者の利益配分を監視し、雇用者の賃金と雇用環境を守ることが職務としています。
執行役員の力量のない企業は、新商品や新しい市場開拓ができないでしょうし、経営の実務・運営権をもつ「取締役」の力量のない企業は、利益率や市場占有率で競争に負けてしまうでしょう。また、労働者の利益配分の少ない企業のモラルと活力は低下し生産力に低下を招くでしょう。企業が利潤をあげるには、三者のバランスが重要であり、そのバランスが民主主義を形成すると考えます。
企 業 =利潤を求めることがその基本行動
執行役員=株主の利益を主張する
取締役 =経営上の実務・運営権をもつ。
労働組合=雇用者の利益(賃金)を守る。
労使関係=「執行役員」「取締役」「労働組合」の権益のバランスをいう