租税制度のあり方(2012.04.02)

はじめに

規制に租税を使ってはなりません。規制は租税の割合で行うべきであり、新たに租税を作ることは既得権益を生むことになります。租税の基本要件は、富の再分配です。既得権益は、富の再分配を否定します。租税制度は、既得権益を制御する機能をもっています。

租税は、徴収方法の、意味と使途を、関連付けなければなりません。また、租税を財源とする時にに、経済が悪化したときに、比較的安定した財源と不安定な財源とを区別するべきでしょう。その上で、経済が悪化しているときに、経済的苦痛を国民で平等に分かち合える使途に、その財源を充てなければなりません。

1 徴収(収入)

まず、租税の徴収の概念として、応益原則と応能原則による徴収方法があります。

応益原則とは、行政によるサービスの恩恵を受ける者に対してその恩恵の量に応じて課す租税で、消費税があります。

応能原則とは、負担する能力のある者に対してその能力に応じて課す租税で、富の再分配という意味をもつもので、累進課税の形態をとります。所得税、相続税、法人税などです。

2 使途(支出)

租税の収支から言えば、応益税は、経済動向に影響されにくく安定した財源であり、応能税は、経済動向に 影響されやすいとされています。租税の使途は、大まかに、行政サービスを行う公務員の人件費、公共事業費、社会保障費、教育費、安全保障費に分けられす。

経済が悪化したときには、需要の創出で、公共事業の投資を増やしますので、経済動向に影響を受けない応益税でなくてはいけません。また、教育費や安全保障費も、長期的な投資ですので、安定財源である応益税を充てます。
これに対して、行政サービスの人件費は、景気変動に連動すべきであり、応能税を使うべきでしょう。また、社会保障費も、不景気による経済的痛みは、国民が平等に分かち合うものであり、これもまた、景気変動に連動しなければなりません。

経済的弱者の保護は、金銭的な援助だけではありません。経済的弱者や高齢者を、公務による一時的な雇用の創出したりすることで助け合うこができます。ワークシェアリングにより公務員数の総数は逆に増えるのですから、行政サービスの質は落ちません。

3 租税の収支と、国債を投資する事業は個別決算を

応益税は、国民が負担する消費税と、企業の売上げに連動する売上税とします。消費税は、地方行政府が徴収し、各自治体の公共事業費に充てて、そして、売上税は、国が管理する公共事業費と教育と安全保障費に充てます。

応能税としての、累進課税である所得税と相続税、企業の利益に連動した法人税は、国家公務員の人件費と管理費に、県民税と住民税も累進課税とし地方公務員の人件費と管理費に充てるものとします。

使途である公務員の人件費と管理費、公共事業費、社会保障費、教育費、安全保障費の個別の予算に対応して、消費税と売上税の比率や、所得税、県民税、住民税の比率と累進率が計算されます。

租税の収支は、単年度で一般企業と同じ会計処理で決算し国会への報告を義務づける。また、予算で、不足が出れば、割引現在価値の経済原理にしたがい国債を発行する。ただし、国債で行う公共事業は、事業年度終了時点で会計処理され、損失が出た場合は、投資者が負担するとします。

応益税


消費税県民税市町村税固定資産税

法人
売上税固定資産税

応能税


所得税相続税贈与税健康保険雇用保険

法人
法人税印紙税

廃止する税

不動産取得税たばこ税ゴルフ場利用税石油ガス税 軽油引取税
地価税酒税揮発油税電源開発促進税入猟税
石油税地方道路税航空機燃料税 取引税水利地益税
自動車重量税自動車取得税有価証券取引税入湯税
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