日本再生のキーワードは退職金だ |
- 日時: 2003/02/09
- 名前: hashimoto
- 失業保険を支払わない公務員は、組織に逆らわない限りその身分を保障される。しかし、終身雇用と年功序列を批判して、公務員に能力主義を求めるのは、官僚の権限を強めるだけである。なぜなら、利潤をもとめない「公需」の経済社会では、能力主義は機能しないからである。それよりも、公務員の最大の既得権益は退職金であろう。
民間の退職金制度は、早期退職制度や契約社員への切り替えなどで、その負担の割合を軽減させていて、これが、本来性の向上を目的とするリストラが、人員整理と労働強化でしかない日本型リストラとなって社会問題化している。これに対して、公務員は退職金をもとめて終身雇用を維持しているのであり、なにより、官僚らの天下りや、一般公務員の再就職は、この退職金をもとめる行動である。
民間ではすでに崩壊しつつある退職金制度を死守するために、公務員は終身雇用を維持しているのであり、「みんなで渡れば怖くない不作為」とばかりに責任転嫁と責任の先送りを繰り返している。特殊法人問題も、公務員の不作為を支える無責任も、その元凶は退職金であることを理解するべきである。そしてこの問題にたいして、公務員の行動を規制するという対処療法は無駄であることに気が付くべきである。なぜなら、その規制を考えるのが、官僚であり公務員であり、それを行使するのも官僚であり公務員だからである。
そうではなく、カラスが生ゴミをあらす問題のように、カラスを駆除するのではなく、エサである生ゴミを管理するべきなのであり、公務員にたいしても、彼らの犯罪のエサなる退職金をなくせばいいのである。エサがなければ、不作為という無責任にしがみつくこともなくなり、次世代の日本を担う若者が、非生産的な公務員という職業に殺到することもなくなる。
私は、退職金は年金を補完するものでり、各種年金と一本化することを提案している。具体的には、まず、退職員の支払いを分割支給とし、次の段階として、退職金を年金制度に組み込み、各種年金支給額の合計に上限を定めるというものである。 だいたい、現在の年金制度は、現役時代の収入をもとにしてその割合を論じているが、退職後の経済格差は、蓄財でもとめるべきであり、生存権を保障する年金制度に経済格差があるのは決定的におかしいのである。
公務員の天下りや再就職を支えるもの退職金であり、公務員の不作為という無責任をささえるのは退職金である。公務員の天下りや無責任は、日本社会からモラルと活力を奪っていて、それが日本経済混迷の原因である。 これに対処するには、害虫を駆除するのでははなく、害虫のエサを絶つことが重要であることと同じように、そのエサである退職金に抜本的なメスを入れなければならない。
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