年金を全額国庫負担とし単年度会計とするべき |
- 日時: 2002/12/06
- 名前: hashimoto
- 現行の年金制度は積立方式ですが、政治もメディアも、年金の給付額を軸とするのか保険料率を軸にするのかという議論ばかりです。年金制度の抱える問題は、少子高齢化の時代を迎えて、現行の制度では、年金の財源が破綻するという問題があります。また、一方で、年金の運用先が、財政投融資にまわり、天下り構造の中で不良債権化しています。
このような状況の中で、積立方式に変わる年金制度があってしかるべきなのですが、このような声はほとんど聞こえてきません。本来、政官業の癒着を批判している野党も、年金の運用を批判するばかりで、規制の強化しか主張しません。
しかし、積立方式というのは、現役世代が常に年金受給者を上回る比率でなければ成立しないという制度であり、年金受給者の数が増えていく状況では成立しない制度であることは既定の事実ではないでしょうか。また、年金が、官僚やゼネコンに蝕まれているのであれば、餌である年金の積立金をなくせばいいではないでしょうか。
私は、積立式の年金制度にかわり、年金を全額国庫負担とし、単年度会計とする対案を提言します。
それには、現役世代が、市場経済をリタイヤした高齢者の生活費を負担するという義務と、高齢者の生存権は、国が補償するという権利をまず確立するべきでしょう。この権利と義務の相関関係を基軸に、年金は、国庫負担とし単年度会計とするのです。その上で、支給する年金の現役世代の負担を軽減する各政策・制度が必要となるでしょう。
▼ 年金制度の抜本的な枠組みを変える
@ 各種年金の一本化 A 年金給付は、現役世代の収入に関係なく一律支給とする。 B 年金としての意味合いの強い退職金を、分割支給として、年金の枠に組み込む。
つまり、厚生年金、国民年金、退職年金などを一本化して、支給システムの簡素化を図ります。特に退職年金は、公務員の既得権益となっていて、天下りや責任の先送りの体質の温床となっています。
退職金に関しては、まず、一括支給から分割支給に切り替えることが必要です。そのうえで、公的年金や私的年金をあわせた高齢者の年金所得に上限を決めるのです。現役世代の収入格差を年金に持ち込むべきではありません。むしろそれは、現役世代の富の蓄積の意欲を阻害するばかりで、利権を求める体質の温床でしあかりません。
▼ 給付する年金に、現物支給やサービスの対価を織り交ぜる
単年度会計で、必要な年金の額を算定した上で、税の中にその負担率を組み込むのですが、ただ、お金を支給するのではなく、下記のような、公平な給付となるような諸制度も必要でしょう
T 持ち家のない高齢者には、公団などを積極的に提供する。 U 医療の分野では、地域どとに高齢者医療の国庫負担額の枠をきめて、地域全体の医療費の軽減が、地域医療に関わってきた人々に配分されるようにして、予防医療の推進を図る V 高齢者の社会参加を促進することで、現役世代の負担軽減を図る。
特に高齢者医療は、治療よりも、予防医療に重点をおいて、予防医療に成果を賃金に反映させるシステムが必要でしょう。常に、プライマリーバランスを念頭においた年金財政を組むべきであり、財政投融資とは切り離して考えなければいけません。
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