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第三次世界大戦はシリアから始まる

1 シリアをめぐる覇権争いの本質


日本のメディアが連日、政府軍と反体制派の衝突が深刻化するシリア情勢を報じていて、政府軍による市民の虐殺を非難している。しかし、アサド大統領は、市民への虐殺を否定していて、一方的にシリア政府を批判する日本の報道には違和感を感じざるを得ない。

シリアのアサドは、シリア正教会のキリスト教徒であるが、イスラム教徒のヒズボラを支援していて、イスラム教徒との関係は良好だ。一方、同じイスラム教徒の政治組織であるハーマスとの関係は冷えている。

リビアの内戦では、ハーマスは反カダフィ派となり、カダフィ派を激しく攻撃していて、その攻撃は虐殺に近く、ヒズボラはハーマスを非難している。今回のシリアでも、反体制派の主力はハーマスであり、市民を虐殺しているのはハーマスである確立は高い。

このシリア状況に対して、ロシアと中国はシリアを擁護しているが、フランスを中心とするNATOと、イスラエルは、国連を巻き込んでシリアを激しく非難し、軍事介入を主張し続けている。

イラクやリビアと違い、シリアには石油はない。シリアから得られるものは、土地だけであり、それを欲するのはイスラエルとパレスチナ自治区のイスラム教徒であろう。イスラエルとパレスチナ自治区を支配するハーマスの利害は一致するが、アメリカは、石油資源のないシリアには関心はなく、もっぱらイランへの軍事介入を模索している。

この状況は、東方教会に属するシリア正教と、カトリック・プロテスタントなどの西方教会との対立と考えると理解できる。キリストに神性と人性の両方があるとするの西方教会(カルケドン派)と、キリストの両性説を否定し、神の存在を主張する非カルケドン派である東方正教会の対立を紛争の火種とする陰謀があるのだ。

この陰謀を主導しているのが、キリスト教徒、特に、西方教会のキリスト教徒からの迫害を受けたユダヤ教徒のイスラエルとイスラエルから迫害を受けていたパレスチナのハーマスである。イスラエルとパレスチナの問題は、双方の土地を拡大することで解決できる。イスラエルとハーマスは、シリアの領土を狙っている。

2 シリアを導火線に第三次世界大戦が始まる


アサド政権打倒には、西方教会と東方教会の対立と、ヒズボラとハーマスの対立が見え、シリア侵攻には、パレスチナ問題が深く関わっている。シリアの土地の一部を、ハーマスとイスラエルで手にいれれば両者の関係は良好になるからだ。

ロシア正教、中国の景教は、キリストの両性論を受け入れない。ロシアと中国を中心とする勢力と、アメリカとフランスを中心とする勢力は、宗教と経済的な覇権をもとめて対立する。

NATO軍のシリアへの軍事介入は、21世紀の十字軍の再来であり、対峙する正教会とイスラム教徒には、ロシアと中国の大国が支援する。経済破綻しているユーロ圏は、この戦争で経済は立て直すが、ユーロ圏にいる正教徒やイスラム教徒が蜂起し、紛争があちらこちらで起きて、ユーロ経済圏は破綻する。

一方、アメリカ国民の64%がシリアの武力鎮圧の必要はないと世論操作されていて、アメリカ国民の眼は、石油資源のあるイランに向けられていている。イランへの軍事介入の口実は、フセインのイラクと同じ核疑惑である。フランスを中心とするNATOがシリアに軍事介入した時点で、アメリカはイランに軍事介入する。

イランの軍事介入では、アメリカ経済は立て直せない。アメリカ国民は、この戦争が石油資本にための戦争とわかっていて、戦争ビジネスのための戦争を否定する。

戦争にたいする厭戦気分は、経済格差の対極にいる貧困層が蜂起(デモ)を引き起こす。この蜂起(デモ)に、アメリカ政府は、国民を鎮圧する武装化した警察(アメリカ北方軍)が投入される。これに対して、ペンタゴンの指揮下にあるアメリカ正規軍が衝突し、アメリカ国内で内戦が始まるだろう。そして、ペンタゴン側にロシアが軍事協力を行う。

アジアでは、尖閣諸島を発端に中国と日本が戦争になる。中国側についた韓国は、北朝鮮が宣戦布告して動きは牽制されるだろう。中国と日本との戦争は、中国のTPP参加の布石であり、習近平とオバマとの意思の疎通はできている。

中国がTPPに参加するためには、中国国内の富裕層が支持する人民軍の政治勢力を一掃する必要がある。日本とともに参戦する米軍は人民軍を徹底的に叩くだろう。

何故、中国のTPP参加に中国の富裕層が邪魔になるかは、CDS債の問題が絡んでくる。CDS債との関係は下記にある。

TPPの目的は統一通貨の導入とデノミ

2013年8月27日改稿
2012年6月13日草稿

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