爪検査でのウラン検出の報告

チッソ石油化学(株)五井製造所の劣化ウラン倉庫の延焼に注目


3.11以降、爪ミネラル検査でウランが基準値を超えて検出されているといいます。ウランの検出は、3.11以前は、1.6%であったものが、6月以降、80%以上の検出率の検出率となっているというのです。

ウラン自体は、地殻や海水中に微量ながら広く分布している元素であり、1.6%の検出例を通常と考えられますが、80%以上の検出率で、しかも、基準値が越えているという状況は、何らかの原因で体内に侵入するウラン量が増加したと考えるべきではないでしょうか。

2012年8月26日に経済産業省から発表された福島第一原発から放出された核種では、ウランは報告されていませんので、何故、爪検査でウランの検出と原発事故との因果関係は現時点では説明できません。

仮に、福島第一原発3号機が核爆発だったとしても、プルトニウム239の方がはるかに多くウラン235の放出量は極微量です。それでは、爪検査のウランはどこからきたものなのでしょうか。

ウランの核種は、ウラン234、ウラン235、ウラン238。爪検査では核種の特定はできませんが、ウラン235が核分裂する放射性物質であることを考えると、ウラン238を疑うべきだと思います。

福島の原発事故では、原子炉内でできた放射性物質が大気に拡散しましたが、ウラン238は入っていません。なぜなら、ウラン238は、核分裂物質であるウラン235を抽出したあとに残る核の廃棄物である劣化ウランとなり、核燃料には使用されないからです。

しかし、東日本大震災の直後、コスモ石油(株)干葉製油所の、液化石油ガスタンクが燃える大火災で、隣接するチッソ石油化学(株)五井製造所の劣化ウランの倉庫が焼けています。劣化ウランは、1100度C位で発火しエアロゾル化して空気中に浮遊し、体内に侵入しウラン238を内部被曝をします。

また、福島第一原発4号機が濃縮ウランの製造プラントであるとしたら、そばに劣化ウランが存在していることになり、爆発でその劣化ウランが大気に拡散したと考えられます。

福島周辺と、東京の湾岸地域を中心とする関東圏では、セシウムやストロンチウムなどの放射性物質はもちろんなのですが、劣化ウランによる健康被害も注視するべきではないでしょうか。爪検査のウラン検出はその警告だとおもいます。